ゆでレタスクラブ

Vol.6 : 2018年7月

知らなかった…生き残る雑誌と、廃刊になる雑誌の「決定的な」違い

往復書簡形式で雑誌の可能性を考える「ゆでレタスクラブ」。『レタスクラブ』の松田紀子編集長が、『ハンケイ500m』の円城新子編集長からの質問に答えます。

『ハンケイ500m』編集長 新子ちゃんへ

もうすっかり梅雨ですね!今年ももう半分が過ぎてしまったことに気がついて、しばし呆然としてしまいました。

この前京都に遊びに行ったときはまだ肌寒かったのに、この調子で人生も、あっという間に折り返しに入ってしまいそうで、焦ってしまいますね。

雑誌を作っていると、常に数ヶ月先のことを考えながら生きているので、人よりも生き急いでいる気がするんだけど、新子ちゃんはそういうことないかしら?仕事の緩急が人生の緩急にそのまま反映されていて、なかなかエキサイティングな毎日を送りがちよね~。

さて、今回は新子ちゃんのメンバーから、以下の質問をいただきました。

「松田編集長に質問です。雑誌には、時間が経つにつれて、読者と一緒に年をとっていく雑誌と、若返る雑誌があるように思います。たとえば他社の事例で恐縮ですが、『クロワッサン』は読者の平均年齢が上がっているように見えます。けれど、『レタスクラブ』はうまく若返っているように見えます。その違いはどこにあるのでしょうか?作り手の立場から、どういう違いがあるのかを教えていただけませんか?」

『レタスクラブ』が若返っているのだとしたら、それは嬉しいことです。「雑誌の平均購読者年齢が1歳下がれば、雑誌の寿命が1年伸びる」と言われている、とうちの販売部から聞いたことがあります。

実際、リニューアルしてから平均購読者年齢は下がりました。それは、思い切った内容変革をしたためだと思います。その代表例としての「コミックエッセイ」ですが、このジャンルの読者は30~40代の女性が多く、その方々が新しくなった本誌を手にとってくださった、というのが大きな理由の一つだと思っています。

でもこれは大きな賭けなので、必ずうまくいく、とは限らない。私はそもそもコミックエッセイの編集者としての経験を積んでいたので、 読者のツボを理解しており、それがうまく受け入れられたというだけです。ただ、方向性として一度「この方向に変える」と決めたら、ある一定期間はその方向をぶらさないことが大事かな。ころころ変えてしまうと、せっかくその方向を好ましく思ってくれた人に残念な思いをさせてしまうことになるから。

そう考えると、雑誌って読者とのコミュニケーションなんですよね。編集サイドが明確な価値観をもって、それを最大限効果的に雑誌内で提示する。それに感銘を受けてくれた読者が、少しづつ増えてくる。そうして、じわじわとその雑誌の世界が広がり浸透していき、年齢層にも影響を与えてくるのだと感じます。

雑誌自体が元気な頃は、中身をバンバン変えて、どんどんリニューアルしても読者はついてきてくれました。だけど今は、じっくり付き合ってお互いの価値観を知る、というコミュニケーションをとらないと、紙媒体は縮小していくと感じています。

バンバン変化して忙しいのは、ウェブの世界に任せればいいと思わない?さあこれで答えになったかしら。

最後に、私から新子ちゃんへの質問ですが、「編集長として一番大事にしていることって、なんですか?」これ、そういえば聞いてなかったな!!新子ちゃんのぶっとんだ回答、楽しみにしてます!

松田紀子

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