歩いて、発見して、京都を感じてほしい。
京大と向かい合わせで建つシンボリックな白い建物が旧関西日仏学館。2009年には大阪にあったフランス総領事館がここに移り、創立85周年を迎えた関西日仏学館もアンスティチュ・フランセ関西と名を変えた。館長と在京都フランス総領事を兼務するのがジャンヴィエさんだ。フランス外務省のエリート官僚なのだが、小難しいイメージとは真逆の印象に驚く。
「いつも散らかってます(笑)」。少し恥ずかしそうに、書類がうず高く積み上げられたデスクで、撮影に応じてくれた。穏やかに笑う表情が、彼の人柄を物語ってくれる。

文化交流は、ビルの一室でなくメゾンで。
総領事としての政治的な役割もさることながら、文化交流の責任者として、館長が残してきた功績は大きい。「現代アートを通して京都の新しいイメージを作り出そうというものなんです」。パリで毎年行われるアートイベントを日本に招致、一昨年から姉妹都市である京都市と共同で「ニュイ・ブランシュKYOTO~パリ白夜祭への架け橋~」として市内各所で開催している。このアンスティチュ・フランセ関西でも、毎年夏にフランスを思う存分味わえるイベント「パリ祭」を催すなど、日仏交流の拠点としての役割を見事に果たしている。
気軽に立ち寄れるカフェがあり、初心者からフランス語を学べたり、敷居の高いイメージは館内の案内を受けて一掃された。「ここは日本にある、フランスのメゾンです。フランスが持つ様々な面を1か所に集めた施設なんです」。フランス政府要人も来れば、ご近所から子連れのお母さんも来る。固い会議もすれば、飲んで食べてのお祭もする。三色旗はためく白い洋館が与えられた役割は実に多彩だ。メゾンの管理人たる館長がいかにも満足そうに笑う。

以来、友好のシンボルであり続ける。
ジャンヴィエ館長の通な京都の楽しみ方。
「一番いい京都を発見する方法は、目的を決めず散策することです。京都には感情を揺さぶられる場所がたくさんある。街に自分をゆだねてみる。自らのリズムで、自ら感じてほしい」。京都の楽しみ方を、京都を知り尽くす地元人に尋ねたかのような回答と、オリジナリティ溢れる視点に驚かされる。「私は時間があると裏道や細い道を歩きます。ふと美味しいラーメン屋さんに出会えたりね(笑)」。
休日ですら、自分で自分を忙しくしてしまいがちな我々に、彼の言葉が沁みる。「旅とは点から点の移動を繰り返すものではありません。私は、駅のそばでおにぎりを買い、出町柳から電車やロープウェイで移動しながら比叡山にも登ります。小さな移動でも、すごく遠くに行ったような気分になる。京都にいながらね」。 ジャンヴィエさん的、通な京都の味わい方。日本人として京都人として、参考にしたい。

アンスティチュ・フランセ関西
TEL
075-761-2105
ACCESS
京都市左京区吉田泉殿町8
最寄りバス停
近衛通
定休日
月・祝