やるとなると、本格的にしたくなる
空色の瓦屋根のかわいらしい店構え。ドアを開くと、ラベルが貼られたガラス瓶がずらり並んでいる。70種類のハーブを揃え、ブレンドティーは約30種。ここは、ハーブ専門店のぷくすけだ。
店の右奥にあるカウンターに座るのは、店主の高山清美さん。一人ひとりの体の状態や好みをヒアリングし、相性がいいハーブティーを的確に提案していく。
「ハーブは有用性植物であり、薬草です。世界中にハーブはあって、日本でも古来、紫蘇やドクダミが薬草として扱われてきました。西洋ではハーブは食品として、そして薬としても日々の生活に根付いた存在なんですよ」。

東京での激務を経て京都へ
いつも傍らにはハーブ
向日市出身の高山さんは、小学生の頃から「スーパーにずらりと並んだ、小瓶入りのスパイスに心惹かれていた」と振り返る。これがハーブ好きの始まりだった。
「母に頼まれた買い物のついでに、珍しいS&Bの小瓶を見つけては、買っていました。タイムをピザトーストに乗せて『こういう組み合わせがマッチするのか!』と感心する。そんな子どもでした」。
龍谷大学哲学科に進学し、ドイツ哲学を学んだ。卒業後はドイツ文学の教授の書生を務めて大学院進学も検討したが、その教授の海外留学が決まり断念。IT企業に就職し、東京で働いた。
「働くかたわら、趣味でハーブを買い求め、学び続けていました。仕事はハードでしたが、セルフケアでハーブの薬効を試せる、いい機会だったと思います」
転機は、44歳のとき。会社では大口の顧客を担当する身だったが、一身上の都合で辞表を出し、京都に帰ってきた。

趣味を仕事にした今
さらなるハーブの探究を
2009年に京都の烏丸御池でハーブティーとアロマ雑貨を扱うぷくすけを開いた。やるとなると、本格的にしたくなるのが、凝り性の高山さんだ。当初は数種類程度と思ったハーブの品揃えが、結局60種類を超えた。最終的にはカフェも併設する、本格的なハーブ専門店になってしまった。1人で店を経営する高山さんは多忙を極めた。
もう少し小規模なお店をやりたい。そこで10年後の2019年、現在の場所に小さく店を構え直した。高山さんは「店を始めて、純粋にハーブを楽しむことが減りました。他の店を訪れると、どうしても品揃えや値付けが気になってしまうんです」と冗談めかす。
ハーブの流通を考えると世界情勢が気になる。また、薬草とされた歴史を踏まえると、客の健康に関する知識も欠かせない。味と効能に納得がいくブレンドはいつも研究中だ。
「勉強しないと、この仕事はできない。ハーブのように数千年の歴史があることを勉強するのは、楽しいです」。
小瓶のハーブに心惹かれたあの日から、高山さんの探究心は尽きない。

一方、日本の方は初めての方がほとんど。だからこそおいしさに気づいていただきたいですね」。
ぷくすけ
TEL
075-712-1705
ACCESS
京都市左京区田中飛鳥井町104-12
最寄りバス停
飛鳥井町
営業時間
10~17時(予約優先)
定休日
火・金