SECOND HOUSE思い出の一皿
ハンケイ500m セカンドハウス応援団!
京都で青春を過ごした世代にとって忘れられない場所と味があります。
友や恋人と食べながら語り合ったまるでもう一つの自分の家。
SECOND HOUSEを愛してやまない面々に思い出を振り返ってもらいます。
マクドナルドやロッテリア、ピザのシェーキーズくらいしか外食というものを経験したことのないウブな高校生だった私が、大学に入って初めて友達にランチに誘われ、ついていったのがセカンドハウス出町店。今でいうカフェ、昔でいう…サテンにメッサ憧れていた幼い私にとって、そこはとてつもなくオシャレでキラキラで大人の香りのする「聖地」のような場所だった。
ショーケースに惜しげもなく並べられたたくさんのビッグなケーキにまず目を奪われる。店内の木のテーブルや椅子には自然な温もりを感じ、何を見ても「オッシュアレエ~」が口癖だったチャラい(というかチャラくあろうとしていた)若者心をくすぐるには余りある、外国紙幣のような洒落た伝票にクラクラしたものだった。
そしてメニューには見たこともないたくさんの種類のパスタ。ミートソーススパゲッティしか食べたことがなかった私には何かの暗号にしか見えなかったのを覚えている。しかしそこは若気のイタリアン(失礼)、新しい友達の前で「わからない」などというわけにはいかず、えいままよ!と注文したのが「セカンドカルボナーラ」だった。当時「カルボナーラ」など生まれて初めて見た単語だったのでうまく発音できなかったように思う。それかメニューを指でさしたかも。どちらにせよどんなお料理が出てくるのかまったくわからなかった私の前に現れたパスタは、これまた初めて見る代物だった。そして激・美味い。文字通り「こんなの初めて」の味だった。
それ以来カルボナーラにハマった私は、向こう3年間どんなイタリアンのお店に行ってもカルボナーラしか注文しなかった。しかしあの時セカンドハウス出町店で食べた「セカンドカルボナーラ」以上の衝撃を味わうことはできなかった。そしてある日とうとうそれを超えるカルボナーラに出会ったのである。それはセカンドハウス北山店の「セカンドトマトカルボナーラ」だった。
あれから30年、もうセカンドの螺旋(らせん)から逃れることができない人生。これからも末長くよろしくお願いします。
福山俊朗
PROFILE
神戸大学在学中に劇団そとばこまちに入団、15年間在籍しフリーに。180本以上の舞台に出演、テレビ・映画出演も多数。演劇ユニット「はひふのか」での3人芝居「Moonlight Club」シリーズは現在16作を数え、またその作品を自ら監督し映画化、2021年に第1作目、2022年に第2作目が劇場公開された(現在3作目を製作中)。またα-STATIONエフエム京都でラジオDJとして、毎週月曜日のレギュラー番組「MAGIC RADIO」を担当している。その他個人プロデュース「syubiro theater」の主催や、歌のお兄さん、焼酎亭バーボン名義での落語、MCなど多方面で活躍中。
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