SECOND HOUSE思い出の一皿
ハンケイ500m セカンドハウス応援団!
京都で青春を過ごした世代にとって忘れられない場所と味があります。
友や恋人と食べながら語り合ったまるでもう一つの自分の家。
SECOND HOUSEを愛してやまない面々に思い出を振り返ってもらいます。
大学時代に3日と空けず遊んでいた親友のバイト先が、セカンドハウスだった。ジーパンにTシャツをカッコよく着こなし、テキパキと仕事をこなす彼を訪ねて、よくお茶をしに行った。同年代の店員達は男子も女子もおしゃれな連中ばかり。店内の音楽も、彼らが競いあっておすすめのものを流していた。スタッフがプライドを持ち、楽しそうに働いているおしゃれでアメリカンなお店、それが僕のセカンドハウスのイメージだ。
そんなセカンドハウスが、ある日、僕の実家の近くにもオープンした。当時、地下鉄が通りどんどん活気づいてきていた北山通のビルの2階。この北山店で、オープン当初フライパンを振っていたのがまた、知り合い。だからよく利用するようになった。実は、今でもよく行く。駐車場もあって、とっても便利なのだ。
セカンドハウスは、豊富な種類のパスタやキッシュで、しっかり食事ができるのに、カフェメニューもバッチリ。これが一番の魅力だろう。昼食後の打ち合わせで、ケーキとお茶を目当てに利用することも多い。そんな時は、いつも、あのショーケースのケーキたちをじっくり吟味するのだが、あると必ず頼んでしまうのが「フルーツミルクレープ」だ。ただのミルクレープではなく、ちょっとイカしている。生クリームもカスタードも楽しめる上に、フルーツが贅沢に挟んである。さらに、ちょこんと上に乗っている苺のおかげで、まるでショートケーキのような「ケーキ食べてる!」という満足感もある。重なる薄いクレープは、心地よくフォークで切れるので食べやすい。甘さがやや控え目なのも嬉しい。そして、パートナーとなる飲み物はコーヒーでもいいのだが、僕はよく「アーモンドオーレ」を頼む。
「アーモンドオーレ」に初めて出会った時は、ちょっと感動した。かれこれ30年以上前、前述した親友が「アーモンドオーレはおすすめやぞ!」と教えてくれた。当時から僕はコーヒー好きで、だいたい喫茶店ではホットのブラックコーヒーを頼むのだが、親友があまりに推薦するので、そんなに期待せずに「アーモンドオーレ」を頼んでみた。一発で、あのなんとも言えない風味の虜になった。ウッディーなテーブルにケーキとアーモンドオーレ。作りかけの曲の歌詞をゆっくりと考えながら過ごすと、あの頃の気持ちを思い返して、甘くてセンチな言葉を選んでしまったりする。学生時代に感じたカジュアルでアメリカンな空間は健在だ。カみのないおしゃれな時間がずっと流れているセカンドハウスは、今でも僕のとても大切な場所だ。
シンガーソングライ ター
原田博行
PROFILE
同志社大学在学中の1987年よりバンド結成、シ ンガーソングライターとして本格的に音楽活動を開始。以降はキリスト教学嘱託講師として同志社高校で教鞭をとりながら、サウンドロゴクリエーターとしても活動。グリコ「カフェオーレ」など多くの企業CMソングを制作。G.&Vo.を担当する京都町内会バンドは、結成25周年を越えて活動中。近年は役者としても出演、舞台音楽も手がける。2014年からユニット「はひふのか」を役者として共同主宰。ワンシチュエーションコメディ「Moonlight Club」は16作を数え、2021年から3作映画化。現在、KBS京都ラジオ「サウンド版ハンケイ500m」パーソナリティー。著書に「音楽で生きて行く11の方法」、配信リリース最新ソロアルバム「アンコール」。
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