HANKEI PICK UP NEWS CAFE
スパゲティとケーキのカフェ「SECOND HOUSE(セカンドハウス)」をはじめ、京都を中心に15店舗を展開する株式会社ザックエンタープライズ。個性のある店づくりを通じて、新たな文化を醸成してきた足達光男代表に聞いた。
円城:あらためて、創業時のお話を教えてください。
足達:創業は1977年、まもなく50周年です。経緯をお話ししますと、京都丹後の高校を卒業後、舞鶴の造船会社で8年ほど働きながら、東京からミュージシャンを呼んでライブをしていたのが始まりです。その後、やはりジャズのお店がしたくて、退職して左京区へ。家賃5千円のアパートに住み、おしぼりの配達などアルバイトのかけもちと友人からの借金で開業資金を集め、1977年にジャズ居酒屋「ZAC BARAN(ザックバラン、現在はジャズcafe)」を開きました。
原田:それがザックの始まりですか?
足達:はい。最初は暇でしたが、アルバイトにきた人が、英語が堪能で。その頃から外国のお客さんが増えていきました。
原田:ザックのアメリカっぽい雰囲気にはそんな歴史があるんですね、もうしびれちゃう! 京都で音楽をやる人間にとって、ザックは特別な存在感のある店です。
円城:高校のとき、「ザックに行く人はオシャレ」みたいな雰囲気がありました。足達さんのように借金までしてお店を始める人がいるから、ジャズ喫茶という文化が生まれ、京都のまちが豊かになるんですね。
足達:自分がやりたい店を形にする。そんな夢をずっと追いかけてきました。でも、全然もうからないんだけどね(笑)
円城:いえいえ、京都の喫茶店文化をつくるという、偉業を成しておられます。その後セカンドハウスを展開された足達さんにとって、喫茶店とはどんな存在です
か?
足達:「第二の家(セカンドハウス)」として、みなさんに気軽に来てもらいたい。そんな存在ですね。
原田:ああ、僕たちはそれぞれに「自分なりのセカンドハウスの思い」があります。
足達:うれしいなあ。そう言ってもらえたら本望です。お客さんのおかげで、いろんなつながりが広がってきました。
円城:カフェの運営だけでなく、次々に新しい挑戦をされてきましたが、今後は何を?
足達:そんな壮大な目標はありませんが、今は宿泊事業です。
円城:ご自身の別荘だった滋賀のマキノ山荘を、宿泊施設になさるのですね。
足達:喫茶店の滞在時間は短いですが、宿泊施設ならしっかりお客さんと向き合えます。お客さんが喜んでくれるのが、私のエネルギーです。
円城:マキノ山荘、訪れましたがすばらしい空間です。あらためて振り返ると、足達さんが手がけるのは個性ある店ばかり。ご自身の興味関心を、お店や施設といった「場」で表現しておられることがわかりました。
原田:お話をすると、足達さんの熱量が伝わってきます。
足達:そろそろ隠遁生活しようかと思っていますが、次は「介護施設セカンドハウス」なんていいかもしれない(笑)。
円城:いいですね。みんなで入りましょう!
Sponsored by 株式会社ザックエンタープライズ