職人へのリスペクトがある
日本家屋を改装した一軒家のワインショップ。敷居が高そうな雰囲気だが、一歩足を踏み入れて商品をよくよく見てみると1000円台のリーズナブルなものもある。スーパーの買い物ついでにふらりと立ち寄れる、そんな気軽さがいい。

若くして経営者に、
そしてワインとの出会い
店主の北尾和也さんは西陣にある織屋の長男として生まれた。大学では経営を学び、卒業後は3年ほど京都の染めの問屋で働きながら呉服を学んだ。父が亡くなったのは実家である織屋に戻ってわずか3年後、29歳のときだ。以降29年間、3代目として経営に携わってきた。
それまで、お酒は酔うためのものだった。「学生のときはバーボンばかり」だった北尾さんのワインとの出会いは30歳の頃。オーナーとしてロータリークラブなどの会合に参加するようになり、先輩に連れられて行ったホテルのバーで飲んだ一杯のワインに衝撃を受けたのだ。
「ロマネ・コンティの隣の畑で収穫された葡萄を使ったものでした。こんなにおいしいワインがあるのかと」。
優しくエレガントでありながら、様々な味わいが層をなす。京料理のだしにも通ずるような世界観に感嘆した。
それからというものの、すっかりワインの虜に。開眼のきっかけとなったブルゴーニュのワインを中心に知識を深めた。「集まった経営者のなかで自分はダントツで若かったけど、年上の人ともワインを通じて仲良くなりました。ワインは人間関係をつなげてくれるんです」。
産地や品種、醸造家。いろんなテーマに沿った1本を選んでもてなすワイン会に毎週のように参加した。ワイン店で働いた経験はないが、ワイン好きの仲間たちとの学びが礎となった。姉の逝去をきっかけに織屋の経営を義兄に譲り、本社を置いていた同地にてルミアージュを開店。ちょうど10年前、48歳のときだ。

職人へのリスペクトを
ベースにしたワイン選び
柱はブルゴーニュとシャンパンだが、一方でデイリーなワインも多く揃える。
「私はワインを醸造する職人ではありませんが、職人の魅力を伝えるプロでありたい。私が選んだワインを飲んだお客様からの『おいしかった』という言葉が一番の喜びです」。
これまで呉服の世界で多くの職人と関わってきた。根底には常に職人に対するリスペクトがある。職人の作品のよさを伝えることが店の役割。そのため、毎日、ワインの試飲は欠かさない。
「量販店ではない、6〜700種程度の品揃えの店だからこそ、自分で試飲して味筋がわかるものを扱えるんです」。
取材後、魚料理に合うものをと伝えると、1本のワインを選んでくれた。自然な造りで醸造されたブルゴーニュの白だ。手頃な値段にも関わらず、端正かつふくよかな味。その日のディナーはいつも以上に楽しく、とても豊かな時間になった。

ワインブティック ルミアージュ
TEL
075-492-1904
ACCESS
京都市北区大宮北椿原町64
最寄りバス停
上賀茂御薗橋
営業時間
11時~19時
定休日
水