この店に立つと、自然とテンションが上がっちゃう
焦げ茶の2階建てログハウス、植栽に背の高いミントが揺れている。階段を昇ると「エアカフェ」がある。陽光が差す店内では、ゆったりとしたソファでハンバーガーを頬張る人たち。エアカフェの階下にある20周年を迎えるお好み焼き店「カントリーブー」も含めて、両店を経営するのが高木勝久さんだ。

長年の夢を追いかけ、
最初の一歩を踏み出す
京都出身の高木さんはアメリカに行きたいとミネソタ州立大学秋田校へ進学。念願かなってミネソタ州へ留学するがうまくいかず、20歳で帰国する。「親から自立して生きていきたい」との思いから、サラリーマンやホテルのバイトを転々とした末、「お金が稼げて手に職がつく」飲食業が自分に向くと気づく。
さまざまな業態の店を経て、25歳で川端二条のお好み焼き屋「ちゃばな」の店長として腕を振う。30歳を機に独立し、深夜まで飲める大バコのお好み焼き店「カントリーブー」を上桂にオープンし、軌道に乗せた。鉄板焼きの技術と店舗の経営に手応えを感じ、上桂と西院に店をオープン。2軒のお好み焼き店で盤石な経営を築く。しかし、高木さんが本気でやりたい店の形態は別にあった。
34歳のとき、遂に本懐を遂げるべく、念願の店をオープンする。

大好きなものを形にした
自分の核となる場所
かつての高木青年の胸の内にあった「アメリカ的なもの」へのふんわりとした憧れが形を得たのが、本格的な牛肉などの具材を挟むリッチハンバーガーを出すカフェだった。根底にあったのはアメリカ文化への素直な憧れだ。
「ウエスタンブーツやブーツカットのデニム。若い頃に流行っていたアメリカンなライフスタイルに魅了されて。ハンバーガーって、かっこいいじゃないですか。いつか自分も店を開きたい、と」。
エアカフェの空間を彩る生き生きしたグリーン、使い込まれたヴィンテージ家具、友人のアーティストが描いたイラスト作品……開放的な店内のそこかしこに、高木さんの「憧れ」が散りばめられている。
ともに店に立つ妻の愛子さんは、「この人の『自分の楽しいことしか考えてないところ』がいいな、って思うんです」とほがらかに笑う。
京都ではまだ珍しかった最先端のカフェは、開店当初こそ「お客さんが来なかった」が、新聞掲載をきっかけにブレイク。日本人好みに牛と豚の配合を工夫し、鉄板でジューシーに焼くハンバーグパティは、本物志向の京都人の心をとらえた。
「何があっても、このエアカフェは守る。ここが僕の根幹ですから。店に立つと、自然とテンションが上がっちゃうんです」。
かつてのスタッフには、故郷でハンバーガーカフェを開いた仲間もいて、それが高木さんの誇りでもある。「エアカフェ」という愛される場をつくりあげた人の、心からの笑顔がはじけた。

ea cafe
TEL
050-5489-5386
ACCESS
京都市右京区西院久田町14 COUNTRY BUU 2F
最寄りバス停
四条中学前
営業時間
11時半~22時
定休日
木