嵯峨広沢の自然豊かな環境にある不動産会社・彩里が、2026年にこれまでにないコンセプトのモデルルームを左京区岩倉にオープンします。京都の資材を使い、京都の職人の手で建てる「ものづくり」への思いを、京都で活躍するゲストと語り合います。今回は1823年創業の京扇子の老舗・宮脇賣扇庵を訪問、八代目南忠政さんと話しました。

株式会社宮脇賣扇庵 代表取締役社長
南 忠政
PROFILE
相手の喜ぶ顔を想像して選ぶ。そんな楽しさも扇子にはあります。
1976年大阪出身。五代目宮脇新兵衞の孫。2020年八代目社長に就任。2021年、新しい扇子のありかたを発信する新ブランド『バナナとイエロう』を立ち上げる。昨年度まで京都扇子団扇商工協同組合理事長を務め、業界全体の底上げと伝統工芸の後継者育成にも尽力。

株式会社彩里(さいと) 代表取締役社長
三輪幸徳
PROFILE
職人さんとの橋渡しで、伝統を守り、喜ばれる暮らしを提案したい。
京都出身。同志社大学経済学部卒業後、生命保険会社や注文住宅会社を経て、株式会社彩里のルーツである不動産会社に就職。2022年から嵯峨の里山オフィスで「半農半X」のライフスタイルを実践提案、畑で野菜をつくりながら不動産の利活用、売買、相続のコンサルティングに携わる。京都芸術大学通信教育部で建築デザインを勉強中。2児の父。
伝統を守り職人を守る
三輪:左京区岩倉で、京都の建材を用いながら、住む人が豊かな気持ちで暮らせる、新しい家づくりを計画しています。
南:岩倉は緑も多く環境がいい。大きな公園もあって気持ちのいいところですね。私は、京都で202年続く、宮脇賣扇庵の八代目です。五代目宮脇新兵衞の長女の息子で、母の嫁いだ大阪で生まれました。大学卒業後は、別の仕事をしていましたから、まさか自分が京都の扇子屋の後を継ぐとは思っていなかったのです。でも、人生はわからないもので、継ぐことになりました。
三輪:偶然がいまにつながったのですね。実は私も娘婿で、偶然継ぐことになりました。予期せぬことで、ご苦労もおありだったのでは?
南:24年になりますが、最初は右も左もわからず、覚えるのに必死でした。扇子には千年以上の歴史があり、宮脇賣扇庵も創業当初からほぼすべての製品を自社で製造販売しています。扇子は分業制で、各工程に十数人の職人さんが関わり、一本の扇子が出来上がるまで、だいたい2~3カ月かかります。
三輪:すべて手作業なのですね。
南:用途も日常使いのほか、日舞、神事、茶道、婚礼などさまざまなシーンで使われ、デザインも季節や贈答用など内容に合わせて一から考えます。仕事全体が見渡せるようになったのは、入社10年を過ぎた頃から。以降は本気で事業に取り組みました。
三輪:そこから新しいチャレンジにも目を向けられた。
南:本気になってからは、いろいろと挑戦しています。得意先など多くの京都に住む方が祖父の話を聞かせてくれたことも、私のモチベーションが上がったきっかけでした。店の格を保つ一方で、いち早くスーツを着こなし、昔からあった渋扇のサイズを短くして販売し、坂本龍馬にちなんで「龍馬扇」と名付けた。進取の気性で家業を発展させたことを知り、素敵だなと思いました。


「当時の日本画図案から斬新さやロックを感じます。“新しいのが粋”。扇子にはそんな革新性が備わっている気がします。」
もうひとつは、職人さんを守らなければという思いです。高齢化で職人さんが激減し、このままでは扇子という文化そのものがなくなる。私たちがやるしかないと、使命感に火がつきました。
三輪:さまざまなブランドや若手クリエイターとのコラボ、新ブランド『バナナとイエロう』など現代のライフスタイルに合わせたポップな扇子を次々と発信されていますね。
南:おかげさまで「扇子はオシャレでカッコいい!」と思ってくださる方や海外のファンも増えています。もっと店に扇子を並べたいのですが、人手不足で生産が間に合わない。扇子づくりに興味をもち、技術継承を担う若手が増えることを願っています。
三輪:伝統産業は職人さんあってこそ。私も以前、出張先で地場産木材を使い、伝統工法で職人さんがつくる家の良さに触れました。京都にも、いい木材や職人さんもいますが、そうした価値や思いを伝えなければ、伝統技術も産業も廃れてしまう。私もそう考えて、職人さんと施主さんの思いをうまくつなぐように、より良い提案をしようと思います。


相手の思いの一歩先を表現
南:確かに、私たちは職人さんとの橋渡し役ですね。扇子も、贈答やお祝いのお誂えも多いのですが、その際、相手の好みや背景をヒアリングしながら考えます。本社の竣工祝いなら、単純に松竹梅ではおもしろくない。その一歩先を考えたい。たとえば、その企業のモチーフや扱う素材をこっそりと宝船にしのばせることもあります。その会社だからこその逸品になります。「ここまで考えてくれたのか!」と感激されました。
三輪:おお。それは喜ばれそうですね。
南:家も同じですよね。好みは人それぞれ。でもどんな家に住みたいか、イメージを表現するのは素人にはなかなか難しい。そこを三輪さんがヒアリングし、具体化させて更なる価値を提案する。きっと喜ばれると思います。
三輪:そうですね!家づくりも豊富な知識や経験値が必要で、建材やレイアウト、デザインで住み心地が変わります。お客さまと優れた職人さんの間に立ち、住む人の思いを叶えるよりよいプランを提案していきたいと思います。
株式会社彩里(さいと)
TEL
075-432-7655
ACCESS
京都市右京区嵯峨大沢落久保町5番地1
最寄りバス停
広沢池・佛大広沢校前
営業時間
9時~18時
定休日
日・水
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