Unis in Unison 2025 : Kyoto Rising Artists Project
京都市内にある四つの芸術系大学(京都芸術大学、京都市立芸術大学、京都精華大学、嵯峨美術大学・嵯峨美術短期大学)出身の若手アーティストの作品を展示する「Unis in Unison 2025 : Kyoto Rising Artists Project」の作品展示が11月7日〜16日、京都市下京区の京都市立芸術大学内にある「TERRADA ART STUDIO 京都」で開かれた。主に2025年春に大学を卒業した9人の若いアーティストが約3カ間、無償で提供された会場内の個室アトリエで作品制作に没頭。その成果としての多様なアートが会場を彩った。

新進気鋭のアーティストが多様なジャンルの作品を制作、展示
会場は、美術品の保管などを手掛ける「寺田倉庫」(東京都品川区)が運営するレンタルアトリエスペース。
全31の区画に仕切られ、アーティストが創作に集中できる環境を提供することを目的としている。
2024年11月のオープン以来、国内外の作家が利用している。
今回のプロジェクトは、作家が大学卒業後も作品制作の場所に悩むことなく、作品発表の機会を得ることで才能の飛躍につなげることを目指して計画。普段有償の区画を無償で貸し出した。

Photo by Haruka Oka

Photo by Haruka Oka
第1期の今回は、日本画、油絵、染色、版画などの作家が8月25日〜11月6日の間、それぞれの区画で画材道具を床に広げて筆を走らせたり、イーゼルに向きあったりして制作に打ち込んだ。




制作中の様子。

京都精華大学
的野哲子さん
染色の的野哲子さんは現在、京都精華大学大学院染織領域に在学中。洋服などに使うメッシュの布を壁一面に広げ、カラフルな世界を描いた。「音や匂いなど、あらゆる現象が関係しあっている情景」を表現しているという。普段は自宅アパートのワンルームで創作しており、「作品制作の場所に困っているが、大きな作品を作れることがありがたい」とスペースのメリットを語った。



京都芸術大学
山渕瑞穂さん
油絵の山渕瑞穂さんは現在、京都芸術大学大学院に在学中で、アルバイトをしながら自宅で創作活動を続ける。今回の作品は境界を隔てる光や影などを淡い色彩で表現した。「制作途中も人に見られることは大いに刺激になった。他の大学卒の作家とも交流し、自分がこれまで狭い世界にいたことに気づいた」と大いに刺激を受けていた。



京都精華大学
ニルセン・テア・ラーセンさん
ノルウェー出身のニルセン・テア・ラーセンさんは今春、京都精華大学を卒業。版画で不眠を表現した作品を創作。日本の「丁寧」な文化にひかれ、日本で創作に打ち込むため来日した。現在は長野県上田市の山あいに住むが、在学していた京都精華大学の先生に勧められて参加した。「他の作家と創作についてのことだけではなく日常のことを話すこともできて、張り詰めすぎることなく気持ちが楽になった」と話す。



京都市立芸術大学
松浦 陽さん
京都市立芸術大学の大学院生、松浦陽さんは自然光を題材にした油絵作品を展示。光と影のコントラストを繊細に描いた。「大学は夜の9時までしか制作できないが、24時間使えて作品制作に没頭できることが何よりもありがたい。普段、接点がないジャンルの作家と同じ環境で制作でき、大いに刺激を受けた」と感想を語った。



嵯峨美術短期大学
竹田朋葉さん
線による表現にこだわって日本画を描く竹田朋葉さんは嵯峨美術短期大学の専門科を今春卒業。今回は樹木や人間の顔との組み合わせを新たに試みた。「在学中と違い、卒業後は一人で制作することに息が詰まりそうで辛かった。ここでは大学の時のように他の人がいる中で描くことができ、リフレッシュできて良かった」と笑顔を浮かべた。


TERRADA ART STUDIO 京都 阿食裕子さん

TERRADA ART STUDIO 京都 シニアディレクター、阿食(あじき)裕子さんは「京都は新たなものを生み出す重要な場所。4つの芸術系大学の才能がミックスされることで新しいシーンが生まれると期待している。若い才能が卒業した後も創作活動を続けられるようにサポートし、新しい気づきを得られるプロジェクトに育てたい」と話した。
12月1日からは第2期として別の10人の作家による制作が始まり、来年2月13〜19日に作品が展示される。